まねきケチャや天晴れ!原宿のアイドル現場は厄介ピンチケと呼ばれるオタクが多く、現場がよく荒れます。
逆に荒れないアイドル現場も存在します。
同じ「アイドル」という活動にも関わらず、荒れたり荒れなかったりと現場の雰囲気はグループで異なります。
では、なぜ荒れる現場があるのか?
荒れる現場と荒れない現場のヲタクは何が違うのか?
この点について、自身のライブ参加経験を基に考察してみます。
僕がこれまでライブに参加したことがある
- まねきケチャ
- BABYMETAL
- わーすた
のライブ現場を例にして、それぞれを比較してみようと思います。
(注意)あくまで個人的な経験に基づく意見です。
経験値の浅いただの一般人の意見です。ご了承ください。
オタクを批判しているわけではありません。僕自身もオタクです。
Contents
ピンチケとは?厄介行為が現場を荒らす
現場が荒れるのはピンチケと呼ばれるオタクの厄介行為が原因です。
ピンチケという言葉は「ピンク色のチケット」から来ています。
中高生向けのAKB48の劇場鑑賞チケットがピンク色だったことに由来しています。
「ピンク色のチケット」を持ったオタクは若い人で、その若い人たちの間で厄介行為が目立った。
そのため、厄介行為をする年齢の若いオタクはピンチケと呼ばれるようになりました。
ピンチケの厄介行為は以下のリンクから知ることができます。
ピンチケ四天王と呼ばれる集団も存在しています。
上記のリンク先によると、
- 動物園界隈
- ぶるーれい軍団
- 極めて異常
- 黒羊
の4つが四天王と呼ばれているそうです。
最近では幼稚園界隈や燃えないゴミ界隈をよく耳にしますね。
厄介行為はただ単に仲間で騒いでいる分には可愛いものです。
僕が驚いたのは恐怖や狂気を感じる沸き方をしているオタクの存在です。
別記事に記載したように、まねきケチャのヲタクの沸き方には恐怖めいたものを感じました。
海外パンクバンドのライブで激しいモッシュやダイブ、クラウドサーフ(コロダイともいう?)を目の当たりにした経験もありますが、恐怖は感じませんでした。
ちょっと種類の違う盛り上がり方なのです。
こういった盛り上がり方が荒れる現場を作り上げる要因の1つだと思っています。
日本の“アイドル”の現場でなぜそのような盛り上がりが起こるのでしょうか。
ファンとの精神的な距離感│BABYMETALを例に比較
BABYMETALをアイドルにカテゴリしていいのかという議論がありますが、
十代の女の子がステージで歌い、踊っているのは多くのアイドルと共通します。
オタク(ファン)はその音楽やパフォーマンスに惚れ込みライブを観に行き、応援する。
これも共通だと思います。
この点から比較対象としてみたいと思います。
もちろん、活動している市場が違うことや、運営の戦略・方向性も異なることは理解しています。
以下は僕が参加した銀キツネ祭の記事です。あわせてお読みいただければ幸いです。
BABYMETAL 銀キツネ祭り 最愛ちゃん優勝!!2017.08.08 Zepp名古屋
接触やSNSで距離感が近くなり、ガチ恋が狂気を生む
恐怖や狂気を感じる沸き方には、オタク特有の「ガチ恋」をわずらった精神状態が関係していると考えます。
「ガチ恋」に至らずとも、オタクには「推す」「支える」という考え方が存在します。
こういったメンバーやグループへの「想い」が恐怖を感じさせる「沸き」へ繋がっていると考えます。
では、なぜ「推し」や「ガチ恋」 が生まれるのか、それは「接触」があるからです。
「接触」とは握手やチェキ撮影などアイドルと接近して会話ができることを言います。
アイドルとのチェキ撮影ポーズや握手で失敗しない10のポイント
アイドルと直接会って会話ができるのです。
接触の頻度が高ければ、アイドルもヲタクのことを認知し、覚える。
もはやファン(オタク)からアイドルへの一方通行ではないのです。
これによって感情が高ぶり、
- 「推す」という気持ちや、
- アイドルに対する「恋に似た感情=ガチ恋」
が生まれるのだと思います。
もう1つ、接触とは異なりますが、メンバーを近くに感じる要因として「SNS」があります。
現在のアイドル業界において、SNSは情報発信ツールとして必須アイテムの位置づけです。
- ツイッター
- インスタグラム
- SHOWROOM
- その他、配信アプリ
これらを個人アカウントで実施し、日常を発信する。
ヲタクはそれに反応し、時には”いいね”をもらったり、リプがきたりする。
これによってアイドルの存在が身近で、繋がっているように感じることができます。
「SNS」を通じたやりとりをすることで、「推す」や「ガチ恋」といった感情が日頃から継続することになります。
こうした気持ちから、ライブ中は
- 「オレが!(オレ達が!)」
- 「支える!盛り上げるんだ!」
という気持ちになり、この気持ちをメンバーにアピールする行為として
- 推しジャン
- リフト
が発生するのだと思います。
そして、その行為にはメンバーへの「想い」が込められるので、狂気じみた行動・言動を生みます。
その結果、恐怖を感じるのだと考えます。
加えて、この推しジャンやリフトに対し、演者であるステージ上のアイドルが「レス」を返すことがあります。
レスをもらったオタクはより一層熱が上がり、ますますヒートアップした盛り上がりを見せていくのです。
そりゃ、レスをもらえたらうれしいですよね。
ライブ中に自分を認知してもらえたわけですから、アイドルとの距離感が近く感じられます。
BABYMETALに接触・SNS・リフト・推しジャンはない
話はBABYMETALに戻ります。
BABYMETALの現場はどんな現場かというと、
- モッシュ
- ダイブ
- クラウドサーフ(=コロダイ)
- サークル
- WOD(ウォールオブデス)
等の行為が発生します。
ヘビーメタルというジャンルの音楽なので、特有の盛り上がりがあり、激しいです。
ただ、そこに恐怖を感じることはなく、楽しさがあります。
もちろん、ウザい/厄介/迷惑な人もいますが、その会場全体の盛り上がり方に恐怖を感じたことはありません。
ここで1つポイントですが、現場で見られる行為の中に
- 推しジャン
- リフト
が存在しません。
僕自身これまで4〜5回参加しているBABYMETALのライブで、「リフト」や「推しジャン」を目撃したことはありません。
一方、まねきケチャのライブでは
- モッシュ
- サークル
- 推しジャン
- リフト
が見られました。
「推しジャン」と「リフト」以外の行為はBABYMETALでも見られます。
傍から見たら「どっちも怖い現場」ってなると思います。
でも現場での雰囲気を体感すると、まねきケチャのヲタクの方が怖いのです。
それはなぜか?
やっぱりそれは、「ガチ恋」をわずらった精神状態が関係していると思います。
接触やSNSを通しメンバーを身近に感じることで推しメンに対する思いが募ります。
その思いが、ライブ中に爆発すると推しジャンやリフトに恐ろしさをまとうのです。
そこからさらに、理性を失って暴れだす行為へ発展したりするのです。
BABYMETALには「接触」「SNS(個人)」はありません。
なので、ファンも「ガチ恋」になりにくいです。
BABYMETALが結成される前にメンバーが所属していたさくら学院はアイドルに分類されます。
ですが、さくら学院においても接触やSNSはほとんどありません。
十代の女の子が歌って踊るという共通点はあっても、
そのビジネスモデルや戦略の違いで、付くファンの特徴が変わってくるということです。
まねきケチャの場合は、アイドル市場にガチンコで挑み、その市場で成功しているグループに分類されると思います。
有名になると荒れないのか
ファンの数やライブの会場などが大きくなっていく(=売れる)と、荒れる現場は荒れない現場へと変わるでしょうか。
「地上」「天空」と呼ばれる、活動規模が大きいメジャーなグループを見てみると、
48グループは握手会をやっていますし、ももクロだって昔は接触イベントをやっていました。
でんぱ組だって、ハロプロだってそう。
これらのグループにも接触やSNSを通してファンと交流があり、中にはもちろんピンチケと呼ばれるオタクがいます。
厄介なオタクもいるでしょう。
荒れる現場もあるでしょう。
ただ、ある程度活動規模が大きくなり、ファンの数も増えていくと、荒れない現場へと変わっていく傾向はあります。
それは、
- 接触イベントの制限・縮小
- ファン全体に占めるピンチケ/厄介ヲタ率の縮小・他界
が関係しています。
ファンの数が増えれば、接触イベントの開催が物理的に困難になっていくことは容易に想像できます。
アイドルと繋がっていた“線”が太かったものからだんだん細くなり、気持ちが離れていくでしょう。
それを機に、現場から離れていくオタクが少なからずいると思います。
また、ファンの客層が広がると、年齢層も男女比率も変化します。
ピンチケ/厄介ヲタの比率は圧倒的に小さくなり、アイドルとの“距離”が遠くなります。
これも気持ちが離れる原因でしょう。
ライブ会場が大きくなることも影響します。
座席指定(着席)になると、自由に動けません。
「想い」を体で表現することが困難です。
メジャーになって有名になると、スタンディング形式のライブが減っていきます。
こういった会場の変化も荒れない現場へと変化する要因です。
アイドルと繋がっていた線が細くなっても、距離が遠くなっても、会場が変わっても、離れないオタクはいます。
それはそのグループの楽曲やパフォーマンスが好きで応援しつづけているのです。
アイドル側も、たとえ接触やSNSを通じて獲得したファンであっても、パフォーマンスのクオリティを向上させ、成長や変化を見せていかなければ、ファンを維持することはできませんね。
BABYMETALとの比較におけるまとめ
話がそれましたが、荒れるアイドル現場と荒れないアイドル現場(BABYMETAL)を比較したまとめは、
- 「接触」や「SNS」でメンバーとの距離が近くなり、
- 「ガチ恋」「推し」に見られる、独特の「想い」が生まれ、
- その「想い」を乗せて沸くスタイルが荒れる現場を作り出す
と考えます。
ここで、
「ちょっと待てよ、接触やSNSもあって、ガチ恋してるヲタクがいるアイドル現場で荒れない現場はいくらでもあるじゃないか。」
というご指摘があると思います。
そこで次はアイドルストリートのわーすたと比較してみたいと思います。
オタクの年齢層と女性比率│わーすたを例に比較
わーすたも、まねきケチャと同様、現在のアイドル業界で活躍めざましいグループです。
わーすたも接触イベントが開催されますし、SNSを活用しています。
もちろん「ガチ恋」を患ってるオタクもいます。
それでも、わーすたの現場では荒れることは少ないです。
実際、僕が観に行った完全なるライブハウスツアーin名古屋でも荒れることは無かったです。
わーすたの現場はあったかい雰囲気です。
特に、「ちいさなちいさな」という曲のときなんかは、隣のおじさん・おにいさんと手を繋いで、手を振りながら横に揺れたりするんです。
なんて微笑ましくキモい光景でしょうかww
荒れるはずがありません。
また、わーすたの場合、ライブ動画がたくさん出ているので見ていますが、その動画でも荒れた現場は確認できていません。
ガチ恋オタクがいるのに荒れない。この違いは何なのか。
デビュー前から見守ってきた古参は年齢層高め
僕が考える要因は、「ストリート生から結成された」ことが関係していると思います。
わーすたの所属するavexのiDOL Street(アイドルストリート)というレーベル/プロジェクトにはストリート生というメンバーが存在します。
“デビュー前の下部組織”という位置づけのストリート生の中から、わーすたなどのメンバーが選抜され、グループが結成されています。
このストリート生時代の活動を見てきたオタクたちが、そのままわーすたのオタクとなり、古参として多数が存在していると思われます。
ストリート生のメンバーは小中学生が中心で、そのオタクたちの年齢層は高いようです。
年齢層が高いオタクは「ガチ恋」を患うことはないと考えます。
その応援スタンスは自分をアピールするようなものでなく、推しメンを「見守る」スタンスなのです。
その見守る系のオタクが会場の多くを占める現場であれば、過激な言動は起こらず、荒れることは無いといえます。
女性比率が高い
また、わーすたのオタクは他のアイドルに比べ、女性比率が高いことも荒れない要因と考えます。
基本的にピンチケ厄介オタクは男です。
女の子は暴れたりしません。
女の子から支持されるわーすたの現場は平和であり、それが女の子でもライブ現場に行きやすい理由にもなります。
以下記事にわーすたの現場やファンについて大変詳しく記載されています。
BABYMETALもファンの年齢層は高め
前述のBABYMETALも、ファンの年齢層は高めです。
これは音楽のジャンルがヘビーメタルということが関係しています。
一昔前にヘビメタに熱中していた人たちが、現代になってヘビメタを再熱させたBABYMETALに興味がわき、現場に戻ってきているのです。
BABYMETALのファンはライブ後ゴミを拾う人が何名かいます。
荒れるアイドル現場ではこういった行動は見たことがありません。
まねきケチャの現場でも僕が見た限りいませんでした。
BABYMETALの現場には、会場全体の一体感やまとまり、思いやり・マナーというものが見られます。
これはファンの年齢層によるところが大きいかもしれません。
BABYMETALのファンは年齢層が高めのおっさんが多いですが、想像以上に、女性が多いし、ちびっこもいます。
そういった幅広い客層も影響しているでしょう。
まねきケチャのファンは若いメンズの割合が多いです。
年齢層が高いと、ある程度現場の秩序は保たれるということです。
わーすたとの比較におけるまとめ
わーすたの現場は、
- デビュー前から応援し続けるオタクがいる
- そのオタクが古参として初期から現場を作り上げてきた
- そのオタクは年齢層が高く、見守るスタイル
- 最近では女性比率が高い
という特徴があるので、厄介ピンチケが少ないです。
同じアイドルで接触やSNSがあっても、大人が多く女性も多い現場なので荒れない現場になると考えます。
無銭イベントの参加率│天晴れ!原宿を例に
無銭イベントへの参加率も荒れる現場の要因になります。
まねきケチャとわーすたを比較するとまねきケチャの方が無銭イベントへの参加率は高いです。
もちろん新規ファン獲得のためには無銭イベントはもってこいです。
ですが、同時に厄介ピンチケも多く寄せ付けてしまいます。
特に、「天晴れ!原宿」の現場が代表的で、無銭イベントでは必ずと言っていいほど、荒れます。
そんな中、天晴れ!原宿の運営であるカノウリョウ氏がこんなツイートを。
【お知らせ】
この数日間で「天晴れ!原宿だったら荒れてもいい」と考えている方がまだ多数いることがわかりましたのでそのイメージを払拭するまでは今後、『野外・無銭』のイベントには出演しません。つきましては今年の『エンドレスサマー』も開催しません!
残念ですが、宜しくお願い致します。
— カノウ リョウ (@rk_harajuku) August 6, 2018
「天晴れ!原宿は野外の無銭イベントには出演しない」と発表されました。
厄介ピンチケ排除に向けた取り組みと思われます。
“野外”と”無銭”という言葉がポイントです。
“野外&無銭”は荒れやすく、それ以外では荒れないのです。
以下は実際に僕が参加した、天晴れ!原宿とキラフォレの対バンライブの記事です。
キラフォレルヤ 2017.12.23 名古屋公演 荒れない天晴れ!原宿
記事タイトルにもあるように、そのときの「天晴れ!原宿」は全く荒れていませんでした。
さらに、名古屋で行われた天晴れ!原宿のリリイベにも参加経験がありますが、これも荒れませんでした。
やはり、“野外&無銭”は荒れやすく、それ以外では荒れないのです。
無銭イベントの現場にはピンチケが多いです。
繰り返し無銭イベントに出演することで、そのグループの無銭現場にピンチケが定着してしまい、荒れていくのです。
ただ暴れたい・目立ちたい
一度現場が荒れてしまうとそれがまたたく間にオタクに広まります。
あそこの現場なら騒げる・暴れられると噂をききつけ、ピンチケが集まります。
ただ暴れたい・目立ちたいという若気の至りともいえるオタクたちが現場に来るようになります。
ヲタ芸を打ちまくったり奇行に走り、それを動画にしてツイッターにあげ、バズを狙う。
そうするとどんどん厄介オタクが増え、ますます現場が荒れていくという悪循環に陥るケースもあります。
運営側の対応
グループによって運営側の対応に違いがあり、それが荒れる・荒れないに影響します。
わーすたと同じアイドルストリートに属する「GEM」の名古屋ワンマンの名古屋ワンマンに参加したときのことです。
最前で推しジャンしていたヲタクがいましたが、かなり早い段階で、スタッフが注意に行っていました。
また、事前に禁止行為を明確に告知しておくことも荒れない現場作りには重要です。
禁止行為を行ったオタクは出禁にすることができますからね。
まねきケチャや天晴れ!原宿もBONSという警備員を配置してピンチケ排除に取り組んでいますが、着手が遅かったかもしれません。
もっと早い段階で現場のコントロールが必要だったかもしれません。
そこは運営会社の経験(ノウハウ)・スタッフの数にもよりますが。
おわりに
今回、なぜアイドル現場には荒れる現場と荒れない現場があるのかが気になって、考察してみました。
自分の経験や体験に基づいたもので、かなり推測の部分が多いですが……
一度自分の考えを整理しておきたかったという思いもありました。
日本の“アイドル”と“オタク”は文化だと思っています。
その成り立ちや今後の発展にはとても興味があります。
と同時に理解できないことや不思議でしょうがない部分が多々あります。
ネットで調べて諸説見て納得したり、理解することもありますが、ネットに無い(見つけられないだけ?)情報もあります。
そんなときは自分なりに考えてみて、経験してみて、こうして記事に残そうと思います。
いやぁ、アイドルとオタクは奥が深いし、謎も深い…
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